欧州債務危機の発端は
ヨーロッパ諸国をひとつの国のように結びつけた連合組織をEU(欧州連合)と呼びます。現在の加盟国27カ国中、17カ国が共通通貨として「ユーロ」を使用しています。2009年、ユーロ圏のひとつであるギリシャで、巨額の財政赤字隠しを政府が行っていたことが明らかになりました。もし、ギリシャがデフォルト(債務不履行)を起こしてしまったら、ギリシャ国債は紙くずになってしまう…そんな不安から、ギリシャ国債の暴落が起こりました。
一国の財政危機が欧州全体に拡大
この時、ギリシャ国債の多くを保有していたのは、フランスやドイツの銀行でした。ギリシャがデフォルトを起こせば、ギリシャ国債は紙くずに。そして、それを大量に持っている銀行の経営は当然苦しくなる…こうなると、もはや、ギリシャ一国の問題にとどめておくことはできません。そこで、ギリシャを破産させるわけにはいかないEUの国々が、多くの資金を援助することになったのです。