「アラブの春」発端の地はチュニジア
2010年12月17日、チュニジアに住む一人の男性失業者が、警察の横暴に対する抗議行動として、焼身自殺しました。この事件を発端に、常日頃から高い失業率や物価の高騰に不満を抱いていた民衆が、職の権利や発言の自由化などを求めて、デモやストライキを始めました。この動きは、インターネットを通じてあっという間に拡大し、全国各地での抗議デモへと発展しました。そして、翌年の1月、23年の長きにわたって独裁政治を続けていたベン・アリ政権をも崩壊させる結末となりました。
民主化運動はアラブ諸国へと拡大
チュニジアにおける民衆の勝利に鼓舞され、独裁政権が続いている他のアラブ諸国にも、民主化デモが伝播しました。これらの動きを総じて「アラブの春」と呼びます。2011年には、エジプトのムバラク政権やリビアのカダフィ政権といった長期独裁政権も、相次いで崩壊しました。